石松 愛弘(いしまつ よしひろ)
シナリオライター・作家
昭和7年(1932)6月1日生まれ。
経歴・プロフィール
東京大学文学部卒業後、昭和32年に脚本研究生として大映に入社。 昭和37年大映と脚本家契約し、44年大映倒産とともにフリーとなる。 主な作品に、映画脚本「黒の試走車」「ある殺し屋」「続組織暴力」「桜の代紋」「北京的西瓜」など50本以上のシナリオを手がけている。最新作は「ムルデカ」(2001年) テレビ脚本は「華やかな荒野」「価格破壊」「パリ行最終便」「はぐれ刑事純情派」など。 シナリオライターとしての活動だけでなく、宗方翔(むなかた しょう)のペンネームで小説を出版。 『葬神』(講談社)、『大野郡右衛門』(作品社)、『戦国 歩き巫女』(静岡新聞社)などがある。 現在は、昭和38年の三川坑の爆発事故を背景にした小説を構想中。
~大牟田への思い~ 2003年3月5日 石松 愛弘
シナリオライターになるまで
- 少年時代、中学校の英語教師をしていた父に連れられ、時折外国映画を見に行き、映画に関心を持つようになった。
- 当初は監督志望だったが、大学卒業後、映画会社の就職試験で、胸に結核の跡が見つかり、体力が必要な監督を諦めて、脚本家の道を選んだ。
- 大映に入社後、東京の多摩川撮影所企画部にシナリオ研究生として勤務。デビューして、どうやら一人前になりかけたとき、会社が倒産した。
- 以来、映画他社の仕事をしながら、テレビのシナリオも各局で手がける。「東芝日曜劇場」の頃、福岡のRKBで何作か執筆したのが思い出深い。
大牟田への思い
- 父が旧制三池中学、母が大牟田高女の教師をしていたので、幼稚園、小学校の低学年時代は帰宅すると、女学校へ行き、小使室で遊んでいた。母の教え子たちに可愛がってもらったことなど今でも懐かしい。
- 記憶にはないが、森繁久弥夫人、松島トモ子のお母さんもそのなかにいて、トモ子さん母娘とは、母の死後も交流がある。
- 8年ほど前、小説の取材で市役所の方に炭住等を案内していただき、大変お世話になった。そして、3年前、シナリオ・ハンティングの途中、大牟田市を通り、街が以前に比べて寂しくなっているのを見て胸が痛んだ。
- 昨年、70歳を記念しての小学校同窓会に久しぶりに出席して、一夜を過ごし、少年の頃を懐かしんだ。
追記
- 先月、柳川出身のプロデューサーより「北原白秋」の映画化の話があり、企画の実現に向けて動き出しているところです。
2003年3月5日 石松 愛弘